旅行社のツアーでアラスカ中部の町フェアバンクスを中心とした所にオーロラ鑑賞のツアーに行ってきました。
何社かのツアーが合同でジャンボ機を一機チャーターし、フェアバンクスへ直行です。
2月1日(日本時間);
13時頃自宅を車で出発。日曜日で道路が空いていて予定より1時間も早く成田に到着しました。
予約してあった駐車場に車を預けて成田空港に送って貰いました。
チェックイン後余裕がありすぎたのでカード会社の特別ラウンジに入り、ドリンクを飲みながら
パソコンでメールチェックや現地の様子などを見ながら、時間をつぶしました。
19:25(JST)発 成田よりチャーター機JL8800直行便でフェアバンクスへ
このチャーター機は旅行各社が共同でチャーターし普通定期便のないフェアーバンクスへ
ジャンボ機の直行便を仕立てたものです。
定刻出発を知らせるゲート77の電光掲示板 搭乗機 JL8800便
出発ゲートは第2ターミナルの一番奥
大型のスーツケースと、機内持ち込みのカメラ機材とパソコンを収納したキャリーバックを携帯しました。
撮影機材については別途一覧表で紹介します。
成田で機内持ち込みのキャリーバックが手荷物検査で引っかかりました。
口径の大きいレンズが液体瓶か手榴弾(?)にでも見えたのでしょうか。 キャリーバックを開けられ、レンズの
表面をサンプル採取用の綿布の様なもので拭かれ、機械に掛けられました。 直ぐOKとなりました。
一寸気分を害しましたが、安全運行のためにはやむを得ないのでしょうね。
2月1日(現地時間);
08:05(現地時間) フェアバンクス到着
早朝のフェアバンクス空港 移動中バスの窓から観た日の出
快晴で、日の出前の朝焼けが綺麗でした。
フェアバンクス空港での入国審査はものすごく時間が掛かります。もともと国際空港でないので、ロビーの一部を
区切り、入国検査待合室にしています。
機から下りると順番にA、B、C、D、Eと書かれた札を渡され、Aから順に入国審査室に案内され入国審査を受けます。
入国審査待合室にはクッキーとコーヒーが用意されていました。
私はBを貰ったので、割合早い時間に入国審査を終えることが出来ました。
皆さんが審査を終える間、空港のロビーで待つことになります。
時間があったのでパソコンを出して開いてみますと、直ぐにワイヤレスでインターネットに繋がりました。
メールをチェックし、blogやSNSに書いて戴いたコメントに返事を書きました。
空港をバスで出発、いよいよアラスカでのオーロラツアーの始まりです。
バスで移動の途中、スーパーマーケットに立ち寄り、食料等を買い込みました。
スーパーマーケットはワンフロアーで衣・食・住とアルコール類の4ブースに分かれていました。
今回のツアーには朝食は出ません。ですから食のブースで全行程用の飲料水、朝食用のクッキー、ソーセイジ
そして果物を買い込みました。 可成りの量になってしまいました。
買い物を終えた後、再びバスで仮眠のための一時的に休むホテル(リージェンシー・フェアバンクス)に・・・・
仮眠せずに庭を散策。 初めて氷点下40度の環境を体験しました。
氷点下40度の体感は、寒いと言うより冷たいを通り越して、皮膚が痛く感じます。
大きく呼吸すると、肺が痛くなり咽せます。 従って呼吸の荒くなるような行動や運動は絶対してはだめです。
そんな中でも人間生活は活発に行われています。
町中と道路の状況です。 何処の道路も完全に除雪されています。 殆ど湿気を含まない粉状の雪なので、
ブロアーで吹けば飛んでしまうそうです。 朝、住民の活動が始まる前に全て作業は終わっているとの事です。
ホテルの庭で赤い小鳥を見ました。極寒の中盛んに柳の実を啄んでいました。ベニヒワ(COMMON REDPOLL)
です。
日本でも北海道の一部に冬鳥として渡って来るそうです。
休息後後半宿泊するウエストマーク。バスでフェアバンクスホテルに移動。同じ道路を挟んで反対側で車で
ほんの2,3分の所。
同ホテルでオーロラについてのレクチャーを受けました。
その後、レンタルの防寒服と靴をバスに積んでチェナに出発しました。
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2月1日(現地時間);チェナでのオーロラ鑑賞1日目
フェアーバンクスからチェナまでバスで約1時間半の行程でした。雪道を可成りのスピードで走りました。
チェナ到着は日没後、暗くなっていました。
チェナは上記Googleの地図にも載っていない位、山の中の谷間にある辺鄙なところです。
Chena Hot Springs Resortなる施設があるだけの所です。将に陸の孤島です。アラスカにはこのような
部落(?)が至るところにあり、チェナの様に車で入れるところは希だそうです。
チェナには飛行場がありますが、陸の孤島の幾らかは飛行場は持っているようです。殆どは冬の間の交通
手段は犬ぞりだけだそうです。
Chena Hot Springs Resortはホテルの施設と、有名な露天風呂があります。
電気は自家発電、電話は人工衛星を利用しています。
中心にはアクティビティー・センターがあり、ホテルのフロントのような役目をしています。
ホテルの部屋はコテージ様なものと、普通のホテル形式のものとあり、風呂やシャワーや他の施設の
違いから、私は別途料金を払い、ホテル形式の部屋に泊まりました。
施設に到着後、20時から夕食です。
この後3回の夕食を食べましたが、残念ながら美味しいものはありませんでした(涙)。
夕食後防寒具に身を固めて、22時にアクティビティー・センターに集合し、オーロラ鑑賞が始まりました。
普通はアクティビティー・センターの中にいて、外にいる誰かがオーロラが見えたら知らせてくれる・・・・
と言うスタイルです。
私は殆ど外にいて、星と月が綺麗な空をとり続けました。
カメラは欲張ってNikon D3と FUJI Film FinePixS5Proの2台に各々17mmのレンズを付けてVelbon Super
Plateに取り付けセットしました。
取り付け前には防寒カバーを付けると、ピントを合わせられなくなるので、無限大にピントを合わせておきました。
各々に防寒のカバーを被せました。そしてホッカイロや炭のカイロをその内部に入れ、暖める工夫をしました。
実際極寒の条件で使ってみると、欲張ったのでカメラの操作が難しくなってしまいました。カメラに被せたキルティングの
防寒具が冷気で堅くなってしまったためです。何せ外気温は零下40度以下です。
やむなく1台のカメラをやっとの事で外し、D3だけで撮ることにしました。
最初は星が綺麗だったので、星空を撮っていましたが、午前0時半頃、北西の空が白っぽく見えたので、何枚もの
シャッターを切っておきました。
実はこれが成功で、肉眼では見えなかったのですが、割と綺麗なチェナのオーロラを撮ることが出来ました。
ダイヤモンドダストが可成りの濃度で舞っていました。従って月明かりが乱反射して空は明るく、そして全体にぼやけて
見えてカメラのピントはしっかり取れません。
画像処理していない原画 画像処理したらこんなに綺麗な
肉眼では全く見えません。 オーロラが出ていたことが判ります
撮影機材とデータ
カメラ; Nikon D3
レンズ; Nikkor Ai AF-S Zoom-Nikkor ED 17-35mm F2.8D(IF) f;17mm F3.2で使用
ISO; 800
シャッタースピード(ss); bulb 5〜10sec
フォーカス; マニュアルにて∞(無限大)に固定
三脚使用で固定撮影
ssをbulbにした理由を述べます。
ssを5とか10secに固定して撮ると1枚はシャッターが切れるのですが、次に切ろうとすると1/5secとか1/10secに
変わってしまっています。次にまた10secに戻そうと操作すると3secとか4secまでしかシャッタースピードを落とせない
状況になりました。 メインスイッチを入れ直しても直りません。
部屋でカメラボディーが温まると、正常になるようです(??)。
ボディーが冷えすぎると、エレクトロニクス関係が誤動作をする様な気がします。 D3だけの、またはこの個体だけの
現象なのでしょうか。
bulbで撮っている限り、何の問題も起きません。従ってbulbでシャッターを切ることにしました。
通常の撮影は全く問題ないですが、折角持って行ったリモートスイッチのNikon MC-36を使う機会を逸しました。
定点のインターバル撮影は残念ですが諦めました。
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ここで失敗談を含め、注意点を少々述べておきます。
1.眼鏡を掛けている人は、口を覆う防寒用のマスクをすると、吐く息で眼鏡のレンズが一瞬のうちに曇って凍りついて
しまいます。 眼鏡を使ってる人は辛いですが、マスクはしない方がいいと思います。
2.勿論外から眼鏡をして暖かい部屋に入ると、これも一瞬で眼鏡の玉に分厚い氷が付いてしまいます。
部屋に入る時は眼鏡を外して、懐に入れるのがいいと思います。
懐には沢山ホッカイロを入れておくのが、何かと都合いいです。
3.体の防寒はレンタルの防寒服を着ることで、長時間外にいても寒さは殆ど感じません。
レンタルの防寒靴を履いていても.指先の方が冷たくなってきます。
少し大きめの靴を借りて、靴の底に靴の中専用のカイロを付けることが絶対必要です。
4.レンタルの手袋はごつくてカメラを操作するには不向きです。二重になった毛糸の手袋が良いと思います。
5.カメラを外からそのまま暖かい部屋に持ち込むと、眼鏡の玉同様、一瞬でレンズに分厚い氷が付いてしまいます。
眼鏡と違い熱容量が大きいので、氷がなくなるのに可成りの時間が掛かります。また溶けた後の水滴を除去するのも
大変な作業になります。
ものの案内書などにはプラスチックの袋(スーパーの買い物袋の様なもの)で覆ってから、部屋に入ればいいと書いて
ありますね。 実際にやってみませんでしたが、何もなければそれでも良いかもしれません。
私の場合は下の写真のように、キルティングで出来たレンズ袋にホッカイロを沢山入れたものを懐に入れておき、
レンズ部に被せて、紐をしっかり結んで部屋に入りました。レンズが凍ることは全くありませんでした。
6.カメラに防寒具を被せる前に、ピントを無限大に調整しておくことは前に述べました。
何もしないでそのままですと、ピント合わせのリングが防寒具との摩擦で動いてしまいピントがずれてしまいます。
リングを絆創膏や応急処置用のカットバンドで2カ所以上で、しっかり固定しておく必要があります。
チェナでの撮影は、一枚のカットバンドで止めておいたのですが、最初星を撮っていた時はまあまあピントが合って
いたものの、オーロラが出た時はずれてしまい、ピンぼけになってしまいました。
オーロラ鑑賞は眼視オーロラが出ないまま2月2日2時で終えました。
ホテルの部屋に戻り撮った写真をバックアップと画像の確認のため、パソコンに落としました。
オーロラが写っていることを確認しました。
風呂に入りベットに入ったのは朝の4時頃(日本時間2月2日午後10時)になってしまいました。
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2月2日(現地時間);チェナでのオーロラ鑑賞2日目
数時間ウトウトして目が覚めました。外は未だ真っ暗でした。
パソコンで写真の処理して、昨夜のオーロラをツアー皆さんに見せるため、PowerPointでスライドに纏めてみました。
朝食は買い込んできたクッキーとソーセイジで済ませました。
そして日本から持参した即席のシジミ汁(味噌汁)を作って飲みました。やはり日本人は朝の味噌汁が最良の飲み物です。
ホテルの部屋にはコーヒーメーカーはありますが、熱湯をわかす設備はありません。日本から持参した電熱器の付いた
鍋を利用して熱湯を沸かしました。この鍋を使うと2人分程度のラーメンが料理でき、とても便利です。電源は100〜
240V迄自動で切り替えてくれる優れものです。
9時頃(日の出前)明るくなってきたので、近くの森に散策に行きました。いや〜〜寒かったです。
ベニヒワやワタリガラス、カケスに似た鳥などを観ました。
証拠にもならない証拠写真です。 暗い、逆光、レンズが暗いetc.の言い訳です。
そして凍てつく川や木々です。
11時、ツアーオプションで予約しておいた犬ゾリ体験をしました。
10〜12頭の犬が引くオペレータを含めて5人乗りのソリです。
犬ゾリの基地には各々独立して鎖に繋がれた犬が数十頭います。
各々が泣き叫んでいますので、喧しいこと、この上ないです。鎖に繋がれているのが不満なのか、早くソリを引き
たいのか何故判りませんが、大声で鳴いています。
先頭の犬はベテランで、他の犬を統率し、スピードをコントロールしているそうです。
乗客4人は足を伸ばし、上向きでお互い股の中に密着して寝るような形で乗ります。
走り出すと冷たい風が顔に当たり、痛いです。防寒用のマスクをしてますと、口の周りは吐く息が凍って真っ白
になります。
可成りのスピードが出ます。最高速度は時速20Km/hr位でしょうか。ガタガタ揺れますので振り落とされない
ように気をつけます。
森の中を疾走するのは顔は痛いですが爽快でした。
犬ゾリを体験した後、チェナで有名な露天岩風呂に行きました。
入り口でホテルの鍵を見せるとタオルを無料で貸してくれます。
更衣室で水着に着替えます。日本と違って裸で温泉に入る、と言うわけではありません。
建物の中にはジャグジー、温泉プールがあり、それらで体を十分暖めてから露天風呂に移動です。
雪や氷の付いた10m位の回廊を裸足で歩いて移動です。
湯煙でもうもうとした露天岩風呂です。奥行きが40m位あるそうですが、湯気で何も見えません。
40度C一寸くらいでしょうか、丁度入り頃です。深さは1m10〜20cm位です。小さい子は入れません。
一番奥にお湯の沸いている所がありますが、温度が高くなります。
湯に入っていると外気が氷点下40度位ありましたので、髪の毛を濡らす湯気が直ぐに凍りついて、髪の毛に
太さ数mmの氷が付いてしまいます。面白い様相になります。
さすが温泉、十分暖まると極寒の世界でも、体はポカポカです。
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温泉で暖まった後、オプションで申し込んでおいた山の上へのサンセットツアーです。
雪上車で30分ほど走ると、山の頂上に着きます。 360度見晴らしがきき、アラスカの広大な自然を見る
ことが出来ます。
雪上車は2両連結になっています。前には数人、後部車両には10人が乗ることが出来ます。
頂上に着くと、そこには大きな円形のテントが2つあり、今夕のオーロラ鑑賞のベースになります。
雄大な自然を満喫してますと日没です。 アラスカのこの時期、太陽の南中時仰角は僅か7度です。
従って太陽は日の出から日没まで、地平線を這うように移動します。日没も日本のそれと違って、地平線に
達してからも、なかなか沈みません。
よく晴れていて素晴らしい日没の景色を堪能しました。
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チェナ2回目オーロラ鑑賞
山頂へのサンセットツアーから帰り夕食を取りました。 ボイルされたタラバガニでしたが、このツアーで唯一美味
しかった食事でした。
午後10時アクティビティー・センターに集合し、昼間乗った雪上車で夕日を観た山に再度登山です。
今度は暗い中30分掛けて山頂に到着です。
雲が所々にあり、雲間から上弦の月が覗いていました。
山頂には大きな円形のテントとトイレの建物があります。 テントの中ではガスのストーブが焚かれていて
空気が少しは暖まっていましたが寒いです。 暖かいソフトドリンクとカップラーメンが用意されており、各々が自由に
飲んだり食べたりしました。
月で明るい空でも星が見えます。オリオン星座が南の空に輝いていました。冬の大三角形が綺麗に見えます。
おおいぬ座のシリウスが地平線近くで輝いています。この緯度では低いところまでしか昇りません。
軽いフォギーフィルターを装着して撮りました。
ダイヤモンド・ダストが多量に舞っていますので、どうしてもピントが甘くなってしまいます。
殆どの方はテントの中でストーブの前に集まり、お喋りを楽しんでいました。
カメラを持ち出して空を眺めている人は少ないです。
私はきっと出ると信じて、カメラを空に向けていました。
パソコンを持ち込んでいたので、一休みして昨夜のオーロラのスライドを皆さんに見せました。何方も感嘆の声を
上げました。 まさか見えたとは思っていなかったオーロラにビックリしていました。
雲があり尚且つ月明かりで、空の変化が見えません。皆さん諦めムードです。
カメラを彼方此方に向けてシャッターを押し続けました。
ホテルに帰り、画像処理したら数枚に僅かですがオーロラが写っていました。
この場所でも多分何方もオーロラを撮っていないのではないかと思います。
月の出ている方向にはさすがレンズを向ける人は居なかったように思います。
皆がっかりして、午前2時に再び雪上車でホテルへの帰路につきました。
帰りは下り坂、ひっくり返る様な震動を感じながら、20分位でホテルに到着しました。
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2月3日(現地時間); チェナからフェアバンクスへ移動
朝出発前に散歩しました。
世界で一番大きい氷の建造物があります。アイス・ミュージアム(氷の博物館)として営業されており、入場料は
$15です。内部にはアイスバーがあり、手作りの氷のグラスでアイス・カクテルが$15で味わえるとのことです。
グラスはそのまま持ち帰りが出来るそうですが、まさか飛行機に持ち込んで帰ることは出来ないでしょう。
残念ながら入る機会を逃しましたが、入ってみれば良かったと思っています。
11時チェナのホテルをチェックアウト、バスでフェアバンクスへ移動です。
インターネット使用について重要な情報
このツアーに出る前、日本でインターネットの環境を、旅行社を通じて調査しました。
旅行社の調査では、チェナもフェアバンクスのホテルでも、インターネット通信は出来ないとのことでした。
チェナからの帰りがけホテルのフロントでスタッフに直接聞いたところ、アクティビティー・センターの中の一部の
場所でパソコンを持ち込めば有料ですがチェナではインターネットを使うことが可能との返事を貰いました。
24時間10ドルだそうです。
もう帰り支度をした後、何もすることが出来ず、チェナから日本に情報の発信が出来ず仕舞いでした。
これはつい最近可能となったとのことで、知る人は殆ど居ないようです。
これからチェナに行かれる方は参考にして下さい。
ちなみにフェアバンクスのリージェンシー・フェアバンクス・ホテルも出発前は出来ないとの情報でしたが、
実はホテルのLANに接続することにより、高速通信が可能でした。
チェナの経験から、ホテルの到着後直ぐに聞いたらLANに接続してもらえれば無料で使って良いとの返事を
貰いました。
LANに接続ですから多少の知識が必要ですが、簡単に繋がります。
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バスで山中の曲がりくねった道をフェアバンクスへ移動です。 来る時は暗くて殆ど何も見えない状態でしたが、
広葉樹林の木々に囲まれた自然が開けていました。
残念なことに曇り空で、雪が降っていました。 今夜のオーロラ鑑賞が心配です。
途中、雪の降る中、石油のパイプラインを見学しました。
北極海に面する油田地帯プルドーベイと南部の港ヴァルディーズを結ぶ全長1,280Km,万里の長城に次いで長い
人工の建造物だそうです。1974年から4年掛けて建設され、自然を破壊しないよう、あらゆる工夫がされているそうです。
パイプライン見学の後、雪が激しいので早々にバスに戻り、昼食を摂るためフェアバンクスの中華料理屋に移動しました。
中華料理店には既に他の日本ツアー客が居て、食事をしていました。
中華料理は数十種類あり、バイキング形式で自由に選択して食べるようになっていました。我々も朝食と昼食を兼ねた
ブランチをとりました。 まあまあの味でしたが、一番美味しかったのはソフトクリームでした(笑い)。
食事後はフェアバンクスの市内観光です。
先ず、ゴールデンハートパークを訪れました。チェナ川河畔にある小さな公園で、フェアバンクスの発祥の地です。
「知られざる最初の家族」と題された最初にフェアバンクスにやって来たと言われる家族の銅像が建っています。
チェナ川は完全に凍りついて流れはありません。
またこの公園は「ユーコン・クェスト」と呼ばれる犬ゾリ大会でも、知られています。
フェアバンクスからカナダのホワイトホースまでの1,000マイル(約1,600Km)を、約10日を掛けて犬ぞりで競い合う過酷な
レースです。
今年はカナダがスタートで、フェアバンクスがゴールになるそうです。
「知られざる最初の家族」の像 凍りついたチェナ川
一番古い教会 ユーコン・クェストのポスター
記念撮影だけ済ませて次の見学地「アラスカ大学」に移動しました。 途中飼育場のじゃこう牛、カリブー、トナカイを
車窓より見ながら、校内は下車することなく、バスで通過しました。
アラスカ大学はUSAで最北にある大学です。アンカレッジとフェアバンクスにキャンパスがあります。
アラスカ大学フェアバンクス校には、アラスカ大学博物館 University
of Alaska Museum があり、アラスカの自然、
文化、歴史などが展示されているそうです。内部では日本語による案内があるそうです。
オーロラの研究もされており、オーロラライブを行っていて、私も始終見させて貰っています。
以下の写真はバスの車窓から撮影したものです。
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アラスカ大学を後に、サンタの町ノースポールにあるサンタクロースハウスに立ち寄り、お土産を買いました。
サンタクロースハウスでお土産を少々購入し、孫達に今年のクリスマスにサンタクロースからクリスマス・
カードが届くよう手配してホテルに向かいました。
途中でアラスカ鉄道の踏切を渡りました。冬期アラスカ鉄道は週1往復しか運転がありません。
土曜日の朝8:30にアンカレッジを出発し約11時間かけて午後7:45フェアバンクスに到着します。
翌日曜日の朝8:30にフェアバンクスを出て、午後7:45にアンカレッジに到着します。
この一往復が冬期の運転ダイヤです。
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夕刻、これから2泊するウエストマーク・フェアバンクス・ホテルに到着しました。
到着時の天候は曇りで、雪が降っていました。気温は氷点下40度です。
荷物を整理し、今夜行われる3回目のオーロラ鑑賞の準備をしました。
先に述べましたように、持参したパソコンを無線でホテルのLANに接続し、今回のツアーで初めて日本へ
情報を発信しました。3日ぶりにメールをチェックし、blogとHP,そしてSNSの更新をしました。
娘達からのメールが入っていました。
夕食前、外に出てみたら、昼間の天気が嘘のようで、月が明るく照っていて、快晴になっていました。
ワクワクしながら食事をとるべく、レストランに足を運びました。
夕食はステーキ、昔アメリカのステーキはワラ草履とよく言われましたが、、今回のステーキは将にその通り、
ウエル・ダンで固くとても食べられる様な代物ではありませんでした。 団体なので、焼き加減をリクエスト
出来ず、こんな物なのでしょうか。
フェアバンクスでの行動はアラスカ旅行の専門家集団のAIEの世話になります。
AIEのフェアバンクス・オフィスはウエストマーク・フェアバンク・ホテルの中にあります。
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3回目のオーロラ鑑賞
午後10時、バス2台に分乗してオーロラ鑑賞で有名なスキーランドに向かいました。
30分ほどでスキーランド到着です。既に何組かの日本人と台湾の方のツアーが到着していました。
スキー場のためリフトもありますが、休日のみの運転だそうです。
地元の人は冬期の極寒期にはスキーはしないとも言っておりました。
スキーロッジには暖かい飲み物が用意されていて、室温も暖かくとても雰囲気の良いところです。
ロッジには外の空を写した大型のテレビ画面があり、居ながらにしてオーロラの出現が判ります。
私はもう一つの建物に移動しました。この建物は北側に大きな窓があり、オーロラを室内から鑑賞出来るように
なっています。室内は暖房が僅かで、とても寒いです。
いよいよオーロラ鑑賞3日目が始まりました。
オーロラの出ない時間、カメラを整備し、星を撮ったり周りの景色を楽しんでいました。気温は氷点下40度を
下回っているようでした。
ロッジの側では80mm位の天体望遠鏡が置いてありました。オリオン大星雲や生憎、月の直ぐ側にあるスバル
等を覗いているようでした。
折角の赤道儀なのに極軸鏡もなく単なる経緯台のような使い方をしてました。
そして遂に2月4日午前0時40分頃(現地時間)、大オーロラの出現の始まりです。
雄大なオーロラのアルバムは ここをクリック してご覧下さい。
雲が出てきましたが、オーロラが未だ見えてる午前2時、バスでスキーランドを離れて、オーロラ・ハンティングなる
バスツアーに出掛けました。
夜、真っ暗の中雪道を走りアラスカ大学フェアバンクス校ポーカーフラット実験場の門の前で下車。
つい先ほどまであんなに見えていた星空は、すっかり雲に隠されてしまいました。そして下の写真のように雪が激しく降って
きました。
この実験場の門前には小型のロケットが展示されています。
展示にロケットがあるように、この実験場ではオーロラに向けてロケットを打ち上げ、オーロラが発生している高空の様子を、
種々の測定器を使って直接計測しています。
「オーロラが発生してる時、その場所でどんな事が起きてるかを、ロケットを使って直接調べている」わけです。
因みに、帰国後の2月18日、フェアバンクスからのライブで、ロケットが打ち上げられたのを見ました。
この実験場の近くで、動物の足跡や糞を見つけました。
大きな山火事が起きた跡も見ました。
ホテルに帰ったのは朝の4時でした。
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2月4日(現地時間);
朝6時頃からウトウトして、9時頃には起きました。
午後からはいろんなオプションが用意されていました。
私はスノー・シュー・ハイキングを申し込んでおき、参加しました。
午後1時、スノー・シュー・ハイキングをする出発点のロッジからホテルに、車の迎えが来ました。日本人
オーナーの熊谷さんと言う方でした。
約30分のドライブ後、オーロラ・ポリアリス・ロッジと称する山頂のロッジに着くと、オーナーの奥さんと、大きな犬が
出迎えてくれました。
経営は日本人の熊谷 誠・亜希子ご夫婦と、地元の人と共同での経営です。
(たまたま)奥さんのご両親もいらっしゃいました。
北側にオーロラ観賞用の大きなガラス窓のあるオーナーの居住部屋もあるオーロラロッジと、最近出来たと言う、
宿泊棟の2棟からなっています。
宿泊棟 ロッジから見たアラスカ山脈
この写真をクリックするとパノラマが見られます
一休みした後、注意事項を聞き、スノーシューを履いてハイキングに出発です。天気も良く歩くので、通常の防寒服より
少し軽めの物が良いようです。
両手にはストックを持ちます。バランスを崩した時に応えるため必要です。 しかし私はカメラを持てるため、ストックは
持ちませんでした。(後で後悔します)
オーナーを先頭に一列に並んで出発しました。アメリカ人の方がノルディック・スキーを履いて付いてきてくれました。
また大きな犬も同道です。
雪で真っ白になった、秋の収穫期には一面大きなコケモモやブルーベリー等が実る高原を歩きます。
スノーシューを履いてないと、腰までも潜ってしまうようなところもあるそうです。
途中、動物の足跡や糞を観ながらの行進です。
先頭が代わる代わる交代して、ラッセルを経験します。
ストックを持たないでの行進は時々バランスを崩し、倒れそうになります。 遂に転(こ)けてしまいました。
口に防寒用のマスクをして歩いていました。マスク付けると眼鏡が曇るので、眼鏡を外し防寒具のポケットに入れて
歩いていました。 転けた拍子にポケットに入れて置いた眼鏡を落としてしまいました。少し歩いてから気がつき、スキー
を履いて付き添って来てくれた方が戻って捜してくれたのですが、見つけることが出来ませんでした。
一つしか持ってこなかった眼鏡です。字を読むことも、書くことも出来ません。えらいことになってしまいました。
6万数千円もしました。 春になって雪が溶けたら見つかるかもしれません。 その時また来ようかな・・・・・・・(笑い)
軽い汗が出てきました。 所々で止まり、写真を撮りました。
アラスカの大地や、遠くの山々の雄大さを堪能しました。残念ながら雲でマッキンリーは見られませんでした。
マッキンリー方面が曇るとフェアバンクス付近も曇ってくるとの話があり、今夜の最後のオーロラ鑑賞に不安が
出てきました。
ライチョウの足跡 ウサギの糞
谷間にある金鉱の街 濃く青い空の色
雪の下の獲物を探す犬
次をクリックすると、アラスカ山脈のパノラマがご覧頂けます。
いい汗をかいてロッジに戻りました。
ロッジに着いた後、ロッジ周辺の四季やオーナーのアラスカでの生活を記録したDVDを見せて貰いました。
今、ロッジの周辺は雪で真っ白ですが、秋はブルーベリー等の低木類が紅葉し、とても綺麗です。他のシーズンにも
是非来てみたいと言う気分になってしまいます。無くした眼鏡を探しに・・・・・・
その後オーナーが釣った鮭で作った自家製の燻製を使ったお茶漬けが振る舞われました。そして漬け物と日本茶。
美味しかったこと・・・・・ このツアーで唯一美味しく感じたご馳走でした。やはり日本人なのでしょうか。
夕方近くアメリカ人のオーナーの運転する車でホテルに帰りました。
スノーシューハイキングをしなかった人の中で、マッキンリー遊覧飛行を選んだ人は、、残念ながら先に述べたように
マッキンリー付近の天候不良で、飛び立っただけで目的が達成されず、費用全額を返してくれたそうです。
またその他の人はダウンタウンに出向いたり、到着後直ぐに依ったスーパーに行ったりして、買い物を楽しんだようです。
さて、無くした遠近両用の眼鏡の代わりを手に入れないと何も出来ません。
現地旅行社AEIが主催して、上記スーパーへの買い物ツアーをしていましたので、AEIのデスクへ向かい、未だ
スーパーに担当者がいたら、日本で言う、いわゆる100円眼鏡を買ってきて貰うように、お願いしました。
早速連絡を取って貰ったら、未だスーパーに担当者が居ましたので、近距離用と遠距離用の2つを買ってくるよう
お願いしました。
ドンピシャリの度数の眼鏡はありませんでしたが、当面無理すれば使える眼鏡を得ることが出来ました。
因みに価格は2つで$14払いました。その他自分で飲むつもりで、成田で買ってきた焼酎(未開栓)を、お礼に
渡しました。
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最後のオーロラ鑑賞
いよいよ最後のオーロラ鑑賞をする夜になりました。
バスで何時もより早くホテルを出て、途中で食事をとり、目的のツアー会社専用の山のロッジに行きます。
夕食のため地ビール工場のシルバーガルチに立ち寄りました。サーモン料理を戴きました。
味はまあまあでしたが、対応のウエイトレスの態度が悪く、折角の料理も台無しです。 料理の乗った皿を、お客に頼んで
渡したり、フォーク・ナイフを投げてよこします。 日本では考えられない乱暴な行動です。
残念なことに夕方から、誰かが予想したとおり、雪模様になってしまいました。
22時頃、再びバスに乗りツアー会社専用のオーロラビレッジに到着しました。女性の管理人と犬が迎えてくれました。
ロッジはとても暖かく、自家発電で電気が使えます。テレビも備え付けてあります。
ロッジから歩いて数分のところに小さな黄色いテントが2張り張られています。ここがオーロラを鑑賞する場所になります。
ロッジでは熱い飲み物や、クッキー、カップラーメンなどが用意されており、自由に飲食が出来ます。
ロッジでは写真家・星野道夫氏の足跡を記録したビデオが流されています。殆どの人はこのビデオを鑑賞していました。
私はテントの方に行きオーロラの出るのを待ちました。ロッジとテントの間には、管理人が予め設置した、氷の入れもので
灯したランタンがあり、迷うことなくロッジとテントの間が移動できます。
テントの中はランタンが灯っているだけで、暖房設備はありません。
月がぼんやり見えて居ますが、雪がシンシンと降っています。雲があっても強いオーロラが出れば、雲が明るくなるでしょう。
いつまで待っても寒いだけで、オーロラは遂に見られませんでした。
最初の写真はテントから見たロッジと、フェアバンクスの街の明かりです。連絡通路には、氷で作られたランタンが光って
います。写真では判りにくいですが、可成りの高低差があります。
他は、テントの周りで椅子に座り、オーロラの出るのを待つ人たち。
明日は帰国、朝が早いので午前1時半頃撤収となりました。
4日間のオーロラ鑑賞で、遂にこの日だけカメラにも何も写りませんでした。
前日素晴らしいオーロラを見ていましたので、皆さん案外さっぱりした顔をして引き上げました。
帰りのバスの車中で、AIEの現地添乗員が新田次郎の「アラスカ物語」を語ってくれました。バスが出発した時から
語りだし、バスが丁度ホテルに着く時に終わりました。そのタイミングの良さに一同ビックリです。
毎日添乗で、可成りの訓練をしているのでしょう。
ホテルに帰った後、荷物を纏めて帰国準備をしました。借りていた防寒具と防寒靴を返し休んだのは午前4時頃。
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2月5日(現地時間);帰国
ウトウトッとして起床。直ぐにスーツケースなどを廊下に出しました。
4回のオーロラ鑑賞トライを終わって、いよいよ帰国です。
バスに乗ってフェアバンクスの空港に出発。
帰りのチャーター機は既に到着して、次のツアー客がぼちぼち出てきていました。この便には友人が乗ってきているはずです。
チェックイン後、到着ホールに行きましたが、残念ながら友人に会うことが出来ませんでした。最初に書いたように入国審査に
可成りの時間を要するためです。
手荷物検査はUSAでは普通のことですが、靴を脱ぎ、ベルトを外してゲートを潜ります。成田で開けられた機内持ち込みの
手荷物は開けられずにスムースに通過しました。
待合室で朝食をとってから出国待合室に移動します。到着便の入国審査が全て終わり、仕切りが取られ先ほどまで入国者が
控えていたところが、出国の待合室に変わっていました。
パソコンでメールをチェックなどしているうちに搭乗時間となり、飛行機に乗り込みました。
ジャンボのチャーター機、JL8809便は定刻2月5日11:55(現地時間)アラスカ・フェアバンクス離陸、一路成田へ。
空港で日の出を迎えました。 機上からはアラスカの凍てつく大地と凍りついた川などが見えています。
ファアバンクス空港の帰国機 フェアバンクス空港の日の出
凍てつくアラスカの大地と川
2月6日13:25(日本時間);成田着
6時間半のフライトを終えて、無事成田に到着しました。
入国審査を終え、荷物をとり、税関検査を受けてやっと日本に帰りました。
車を預けていたパーキングに電話をして、空港まで迎えに来て貰い、車を貰って高速に乗りました。
長い間楽しみにしていた、アラスカ・オーロラ鑑賞ツアーが終わりました。
補助翼を一杯に広げて成田空港に着地
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雑 感
アラスカオーロラ鑑賞ツアーに半年前から計画し、実行しました。
移動
続く
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